終着駅 宮脇俊三河出書房新社 ¥680+税
第一章のサブタイトル「終着駅」がタイトル
その第一章は幾つかの終着駅を紹介する訳だが、まるで横見浩彦先生の「JR全駅下車」の原形を見る思いだったが、
コチラは徐々に先生独特の旅情が描き出され、俺も今直ぐ旅に出たい
そういうのが無くても鉄旅したい
んで、第二章「車窓に魅せられて」から内容がガラリと変わった

裏表紙にはこう書かれているが、要は先生が亡くなられた後に発見された原稿を纏めた本だった訳で、
言わば「ごった煮」
しかし、その「ごった煮」の中に思わぬ感動があった
先の第二章には最早、先生の鉄旅に対する愛情がひしひしと感じられる
梅雨や冬の北海道といった厳しい季節こそ風情があり、鉄旅に打って付けと仰られる辺りは流石は先生と感嘆せざるを得ない
章中の「夜汽車よ!ふたたび」では、平成初期頃の寝台特急の中から数点ピックアップして、その旅情と魅力を語っている
寝台特急に愛着のある方や、実際に乗ってその魅力を味わった事のある方は勿論、未経験の方にもその魅力の少しでも知って貰いたく、是非ご一読頂きたい
第三章「鉄路を見つめて」では
「旅の本質は道程にある」という一文に同意
その為に鉄旅をしている
またその章中「汽車旅賛歌」(!)のシメにこうある
「青森から連絡船で函館へ渡り、サイロや駒ケ岳を眺めながらたどり着いた札幌と、あっさり千歳空港から入った札幌とはちがう。
地べたを匍って行く北海道と空から飛びこむ北海道とが別の顔(←漢字が出ない…)を見せることは、乗りくらべた人には同感していただけるであろう。
「はるばる来たぜ函館へ」という歌があるが、あれでこそ北海道への旅なのだ。
交通機関は目的地へ行くための手段である。
そのかぎりでは「文明」に過ぎない。
しかし、
車窓を楽しみ、街道をたどった昔の人に思いをはせれば「文化」の趣を呈してくる。鉄道旅行にはその余地が残されている。」
何と、先生も鉄道を、鉄旅を指して「文化」と仰言られている事に感動した
俺は鉄道と鉄旅、そして夜行列車に対し先生と同じ思いであった事に感動した
第五章「書評・文庫解説」では北杜夫先生の項が何となく笑えて面白かった気が
「時刻表2万キロ」「最長片道切符の旅」「旅の終りは個室寝台車」
…と来てこの本
やはり旅鉄の端くれとして今後も先生の著書に触れていきたいし、ソレが正道だろう
また、当時に思いを馳せたり、鉄旅の魅力に触れるにも良い本であり、「最長片道」「個室寝台」は俺が知る限り本書と並んでお薦めしたい2冊だ
今回はここまで
ではまた~
(´・ω・`)ノシ
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- 2013/12/15(日) 01:06:45|
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